地域円熟講座2

2014年度第2回

 地域円熟講座第2回は、最期まで自宅で暮らし続けるための医療について、専門職を招き、地域の皆さんと一緒に学ぶ機会としました。高齢となり介護が必要となっても最後まで自宅で暮らしたいと考える人は少なくありません。しかし、そのためにどんな準備が必要かということを知っておかなければ、いざとなってもなかなか思うとおりにはいかないというのが現実です。 そこで、地域で訪問看護ステーションを運営するベア・オリーブ有限会社代表取締役で看護師の坂田幸枝さんをお招きし、おもに訪問看護と在宅の看取りについて講演をしていただきました。

訪問看護事業者から


 

訪問看護は、自宅で最期まで生活するための大切な役割を担います。そもそも訪問看護は健康状態の把握から看取りまでと幅広く、具体的には入浴や散歩等の日常生活支援、体操などのリハビリテーション、火傷や褥瘡等の傷病時の手当て、あるいは24時間対応による経過把握、看取りなど多岐にわたります。 坂田さんからは実際の訪問看護ステーションの活動を具体的な事例を挙げながらわかりやすく説明してくれました。

自己決定の中で穏やかに


 

とりわけ「終末期」のケアは24時間365日、自宅で家族と寄り添いながらのケアが続きます。「自己決定の中で穏やかに。生きることには意味がある」と坂田さんは述べました。この何日か前にはアメリカで脳腫瘍となった女性が安楽死を迎えるというニュースが日本にも届き、少なからず死をどう受け入れるのかということに耳目を集めましたが、積極的安楽死と尊厳ある死についての議論は置いておくとしても、「生きる」ことを支えることこそがその人の人生において意味を持つことではないか、そのような感想を抱かざるを得ない、とてもよい学習会となりました。(K)


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