みとり塾

第1回

 2012年12月15日(土)、みとり塾の第1回目を藤が丘地区センターにて開催しました。 参加者は4名でした。
第1回の講師を務めたのは当NPO法人代表で『地域・施設で死を看取るとき』の著者である小畑万里です。小畑は、「看取りに向かう生活」と題し、ゼミナール形式による講義を行いました。
まずはじめに看取りの全体像について説明があり、「死に至る最後の時期を狭義の看取りであるとすれば、徐々に老化が進み、何年もかけて死に向かうプロセスを広義の看取りである」と定義しました。
 ちなみに平成23年の人口動態統計によれば、現在、日本では78.5%の人が医療機関で亡くなっており、自宅での看取りはわずか12.5%です。多くの人々ができれば自宅で死にたいと考えているにもかかわらず、なかなか自宅で死ねないのはなぜでしょうか。
 小畑は、家族形態の変化、住環境、地域での見守り力の低下といった、自宅での看取りを困難にする環境的な要因と老いや弱さを認めない自立自助社会が人の手を借りたくない高齢者という個人の性格的な要因が挙げられるのではないかと指摘。結果として、自宅で看取れず、施設にも入れず、入院もできない介護難民が大量に生まれているのではないかとの問題提起がありました。
 今回の参加者は、それぞれ自身に身内などの看取り経験がおありだったので、今回は、これまであまり意識せずに行ってきたことの意味付ができたのではないかと感じました。
ただ、会場の関係で、ディスカッションできる時間が足りず、「新たな支え合いの仕組みをどう作るか」に関しての意見交換できず、少しばかり残念でした。これは次回以降の課題です。(西田ちゆき)

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