看取り塾(一般&専門)

専門第1回

 2014年1月25日(土)、新しく専門職向けの「看取り塾」をスタートさせました。第1回は、「高齢者の在宅での看取り」をテーマとしてとりあげました。

当事者からの報告


報告者は介護家族Aさんとケアマネージャー鬼山久子さん。Aさんには家族の立場から、鬼山さんからは専門職の立場から看取りの体験を語っていただきました。 Aさんは同居されていたお義母様を4年前、88歳で看取られました。認知症が76歳で発症し、10年以上在宅で生活しておられましたが、やがて別居する自身のご両親も次々と病に伏され、介護が必要となりました。「嫁として自分が介護しなければならないもの」と施設の利用には抵抗があったとおっしゃいます。夫の定年後、援軍を得て多少なりとも楽になりましたが、やはり実家との往復は大変で、お亡くなりになる約1年半前、特別養護老人ホームへの入所を決断されました。お義母様はご夫婦のご苦労を感じ取っておられたのか、「ありがとう」という言葉を残し、病院での最後を迎えたそうです。ご報告ではご主人にも当時の状況や心境をお話しいただきました。また、適切な情報提供やデイサービスでのプログラムの工夫、施設によるケアの長短所など、なかなか聞こえてこないご家族の要望についても伺うことができました。


支援者からの報告


ケアマネジャーの鬼山さんからは、癌末期の方の看取りについてご報告いただきました。本人と家族の希望もあり、在宅療養を開始。主介護者である夫が頑張りすぎないよう、夫は「できる」と言うものの、いずれ「入ってもらっていてよかったと」と実感するだろうサービス計画を工夫されたそうです。そして、病院でお亡くなりになる数日間前まで在宅で過ごされました。ケアマネージャーは事業者と良好なコミュニケーションをとり、チームとして利用者へサービスが提供できるよう心がけたとお話しされました。


深まった理解と関心


この度は専門職向けの講座として開催し、地域包括支援センターや病院のソーシャルワーカー、看護師などが参加してくださいました。普段はあまり意見を伺う機会のない男性のご家族への質問が相次ぎました。私は、Aさんご夫妻の話は、家族が協力して介護するお手本のようで、とても参考になりました。また、鬼山さんのお話しも同じ支援者の立場として共感でき、支援のポイントを学び取ることができました。無理なお願いをお引き受けくださったAさんご夫妻、鬼山さんに深く感謝しております。(西田ちゆき)


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